杜国強ト・コクキョウ
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ヴィーナス石膏像

ヴィーナス石膏像

深いグレーの調子の中、損傷した石膏のヴィーナスが光と影に押し出されるように逆風に身を立て、波のようにうねる衣が、厳粛でありながら昂ぶる静けさを凝縮させる。

鉛筆による素描で、作家は密度あるリズミカルなハッチングで重みのある背景を築き、そこから白い石膏の量感を引き出している。強い明暗対比が断たれた腕や胴、風に翻る衣の転換を明瞭にし、硬いエッジと柔らかなエッジが交互に現れて、量塊を強調しつつ影の中へと形を溶かす。構図はわずかに右へ傾き、透視の効いた台座と左側の大きな暗部が視線を牽引し、無頭の躯体に前へ進む推力を与える。全体の気配は冷静で抑制的だが、襞のリズムと光の鋭い面に力が秘められている。

カテゴリー
人物・デッサン
制作年
1982

展示風景

展示風景
ヴィーナス石膏像 · 杜国強