
室内のひととき
赤白の市松床、壁の地図と地球儀という幾何の秩序のなか、本を手にした若い女性が横向きに静かに立ち、室内の澄んだ光と抑えた色調が学びへの集中をこの一隅に凝縮させる。
彩色による人物表現で、明快な輪郭に平塗りと柔らかなぼかしを重ね、フリルのブラウスや暗色の柄スカート、肌の調子を節度ある筆致でまとめる。左を向く立ち姿を中心に、右側の卓布、書物、地球儀が拮抗し、背後の大きな地図と斜めに奥へ伸びる市松床が空間の奥行きを開く。苔色、赤褐、生成りを基調とする色調が、幾何と布の質感を交差させ、静かで学究的な気配を形づくる。
- カテゴリー
- 人物・水彩・工筆
- 制作年
- 2005
制作の過程

1. 下描き

2. 白描
展示風景
