
渓橋訪幽
松影が溪の橋をやわらかく包み、青い瓦の小院は赭の霞と薄い靄のあいだに身をひそめ、観者を静かに橋へと誘い、幽処をたずねさせる。
青緑と赭を主とする設色で、骨のある墨線が山石と松枝を描き、浅い彩が霧気と水の湿りを滲ませる。画面は右下のアーチ橋と小亭から始まり、石段をたどって中景の山居へ、層を成す松林が視線を峻峰と湿り気を帯びた空へ運び、道筋は明瞭でリズムは段階的だ。青い瓦は赭色の岩肌に呼応し、奔る溪流と静まる居屋が動静の対比をなす。全体は清澄にして幽けく、実際にたどり着けそうな山中の憩いの庵の趣がある。
- カテゴリー
- 水墨画・山水
- 制作年
- 2005
制作の過程

1. 下描き

2. 墨入れ
展示風景
