
松壑鳴泉
霞に包まれた断崖が向き合い、その間に一条の白が泉の落ちを思わせ、疎らな松影が息づき、静けさのうちに音が満ちる。
墨の重ねとにじみで霧気をひろげ、乾いた筆致が岩稜と老松を刻み、冷やかな緑がほのかににじむ。画面は左右の高い岩壁で深い谷を挟み、中央の余白は瀑と雲霧として読まれ、手前の斜面から遠峰へと層を成して奥行きが進む。濃から淡へ移る墨調に冷緑の点染が呼応し、山体に重みと冷ややかな息を与え、見る者は絶壁の縁に立ち、霧のなかで泉の響きを聴くようだ。
- カテゴリー
- 水墨画・山水
- 制作年
- 2000
制作の過程

1. 下描き

2. 墨入れ
展示風景
