
雲壑松風
雲のごとく湧き立つ峭壁に松風がさやぎ、白衣の二人が沢辺に並んで坐す――山川の広闊と心の澄明がひと息に呼応する。
水墨山水の法で、崖壁は乾湿織り交ぜた皴擦の重ねにより起伏を成し、墨の濃淡は気霞のごとくめぐる。松枝は細かな点筆で織り、花青・石緑の淡彩を挿して冷やかに澄む。画面の大半を占める高山には余白を天と雲霧に当て、深い谷と遠峰を層々に配して虚実を呼応させる。前景では盤根の古木が横たわり、斜面の岩が沢へと導く;その傍らに白衣の二人が並んで坐し、一人は仰ぎ、松風が水を渡るのを聴くかのようだ。巨と微、動と静の対照が、凛として幽遠なる気を結ぶ。
- カテゴリー
- 水墨画・山水
- 制作年
- 1997
制作の過程

1. 下描き

2. 墨入れ
展示風景
