
青嶂畳翠
翡翠の峻嶂が雲を突き、瀑と霧の奔流のなか、崖端の微かな人物が佇み見入る――青緑の光沢に静気と峻勢が交わる。
墨で骨格を立て、石青・石緑の層を重ねて主峰の碧の量感を築き、乾湿を交えた皴擦が崖稜と鬱樹を拾い、肌理を落ち着かせる。構図は縦勢が貫き、中央にそびえる主峰の左右に峡が開き、雲間から瀑が奔り、留白が烟霧へと化す。前景の平台に点の如き人物が絶壁に向かい、尺度の対比が崇高感を強め、視線を山腰の栈道や朧な屋宇へ導く。全体は清澄にして峻厲、色と墨が互いに滲み、青緑が霧光の中に冷やかな輝きを放つ。
- カテゴリー
- 水墨画・山水
- 制作年
- 1979
制作の過程

1. 下描き

2. 墨入れ
展示風景
