
蓮塘の雀
広い余白の薄霧のなか、淡い桃色の蓮弁に雀がそっととまり、精緻な羽描とやわらかな滲みが呼応して、池畔の静けさを封じ込める。
工筆花鳥の筆致で、雀の羽は細密に捉えられ、褐と白の対照が冴える。蓮弁は淡紅と墨の薄い滲みで縁がぼかされ、緑の蓮房がほのかに見える。淡墨の細い二本の花梗が斜めに伸び、上軽下虚の構成をつくり、広い余白は湿り気を帯びた朝の靄のように視線を花へ集める。鋭と柔、実と虚の対照が、次の瞬間には羽ばたきそうな気配を含む静けさを生む。
- カテゴリー
- 花鳥画
- 制作年
- 2004
制作の過程

1. 下描き

2. 白描
展示風景
