
蓮上の雀
褐色の帽子を戴いた雀が弧を描く蓮の梗にとまり、薄紅の花がそっと垂れて、広い余白が澄明な静けさの一瞬を支える。
工筆の精緻な筆致で、雀の羽は赭・白・墨を幾層にも重ね、爪は節のある梗をしっかりととらえ、姿は専心である。淡灰の蓮梗が長い弧を引き、下方には柔らかく洗われた薄紅の花が垂れ、蕊の芯には淡い緑と黄が点じられる。画面下の数個の淡墨の点が広い余白と呼応し、水面と空間の清らかさを示す。弧線の張りと羽毛の柔らかな密度が対照し、静気のうちにほのかな生命が息づく。
- カテゴリー
- 花鳥画
- 制作年
- 1999
制作の過程

1. 下描き

2. 白描
展示風景
