
団扇・双雀
細やかな線と澄んだ余白が呼応し、墨の岩にとまる二羽の雀が、団扇の円環にひと息の静けさを封じ込める。
工筆花鳥の筆法で描かれ、二羽の雀は赭と淡墨を重ね、羽の文様は細密でやわらかく、嘴と眼に生気が宿る。岩は薄い破墨でにじむ縁を表し、点墨が水の痕のように空間の広がりを示す。団扇の円画面では主題を左上に寄せ、一羽は高く一羽は低く据え、休息とやり取りの律動をつくる。右側の大きな余白が気息を軽やかに遠くへ運び、冷灰と暖褐の控えた対比が親密で静かな気配を漂わせる。
- カテゴリー
- 花鳥画
- 制作年
- 1997
制作の過程

1. 下描き

2. 白描
展示風景
