
月夢櫻湖
月下の湖山と桜が織りなす精神の旅。横浜・国際芸術家展 銀賞。
- 技法
- 水墨 × 水彩 × エアブラシ
- サイズ
- 33 × 33 cm
- 制作年
- 2023
作家のことば
《月夢櫻湖》は、文化と自然を越えてゆく精神の旅である。画中の月、湖水、山々、桜、そして一艘の小舟は、いずれも東アジアの自然美学と哲学的思惟のあらわれだ。私は中国で育ち、伝統的な中国画と哲学に深く育まれ、とりわけ月のもつ多層の象徴に魅かれてきた。日本に移り住んでからは、日本の自然美学、わけても桜への理解と感受を深めていった。この作品は、まさにそうした文化の交わりのなかから生まれた——中国と日本の自然と文化の要素を融合させ、両国の美学と哲学への一つの独自の解釈でもある。
名もまた深い含意をもつ。月は変化と永遠を、桜は生命の儚さと美しさを象徴し、湖水と孤舟は静謐と深い思索をもたらす。これらの要素がともに、現実と夢、物質と精神、自然と人文のあいだに横たわる多次元の空間を築きあげる。私はこの作品を通して、自然と文化への個人的な感受を表すとともに、観る者の裡に、自然・文化・人生をめぐる幾重もの思索を呼び起こしたい。それは音なき対話であり、心の触れ合いであり、文化と時空を越えた一つの共鳴である。
制作の過程

1. 下描き

2. 墨入れ

3. 完成(本作)
技法と素材
ルーベンスの星空水彩紙(コットンパルプ300g・厚手の細目)を地に、日本の水彩、中国画の顔料、ハイライトの白墨を用い、息で吹くアトマイザーとエアブラシを組み合わせ、版画の装飾的手法を取り入れる。工筆淡彩、山水画の砂筆、水彩のにじみによる層を重ねた階調——多様な技法を融合させた、装飾性ゆたかな新しい山水の描法である。

受賞と展示


